5月に入ってからのとある日に無性にサーモンが食べたくなって、スーパーでサーモンのお造りをジーっと見つつ、しばらく買うかどうか悩んでいました。
というのも「食べたい」んだけど、味を思い出そうとしても全く思い出せない状態なのに気持ちが「食べたい」と思っていて感情に記憶が追いついていない状態で。
それに買っても、いざ食べてみて食べれなかったときのことを想像するとなかなか簡単に手が出せなくなっている自分もいたりと、色んな感情が渦巻いていました。
今振り返ると、もしその時の感情が表情に出ていたら奇妙な顔つきになってて、しかもサーモンをずっと見つめてるわで周りから怪しい人と思われていたかもしれません(笑)
でもこの日は
「やっぱりサーモン食べたい!」
っていう気持ちが自分でも驚くほどに大きくて買うことにしました。
ただサーモンだけで食べるのはまだ怖くて、今現在食べることができるアボカド、マヨネーズ、わさびと、まだちょっと違う味に感じるけどいけるようになった醤油とで和えて食べることにしました。
一旦アボカドは一緒に食べずサーモンだけをパクっと。
んー
んーー
んーーー
最初はよくわからなかったけど、
噛むごとに味覚と記憶のパズルがはまっていくような感じで
「そうそうサーモンって確かこんな味やった」ってのが少しずつ現れてきて。
最終的に「サーモンの味や!」ってなったとき、
過去の記憶が奥深いところからグィーーーンって引っ張り出されたような感覚でそこで味覚と記憶が完全に一致。
魚は腐っているような苦いようななんとも言えない味がして全く食べれなくなっていたから、
もうなんとも言えないぐらいに嬉しくて。
目をつぶってその余韻にしばらく浸りました。
もぅほんとに嬉しかった。
それからはさっきの余韻はどこへやらと思うぐらいがむしゃらにサーモンを堪能しました。
※今回サーモンのお造りはいけたけど多分焼いたりしたものはまだ食べれないと思います。(挑戦する勇気がまだない)
この機会に冷静に振り返ってみると、
食べても違う味に感じるから本来の味を思い出せなくなって
「このまま思い出せないんじゃないか?」
って怖くなっていた状態で日々を過ごしていました。
今も思い出せないものも沢山あるのですが今回のサーモンを食べたときの感覚のように味覚と記憶が合致する瞬間を経験したことで、回復に向けて大きく前進したんじゃないかなと思っています。
そして気持ち的にも光がさした気分です。
そしてあくまで個人的な考えにはなるのですがこの経験をして今思うのは、思い出そうとして思い出せるようになるというより(意図的に思い出そうとして全く思い出すことができなかったから)、これはもう自分の意志ではどうにもならない領域で「思い出す」ということに関しては体の細胞と記憶に任せたほうがいいのかなと思うようになりました。
※無理のない範囲で色んな食べ物をトライするということも大事だと思っています。
なので「むりっ」と思う食べ物は我慢してまで食べたくないので、気持ちがやられない範囲内でまだ試せそうな思い出せずにいる食べ物を積極的に食べるようにして、あとはもう体の細胞と記憶に身を任せてみようかなと思っています。
異臭症についてまだまだわからないことが多いので正解不正解はないと思っています。
ただ異臭症になって味を思い出すことができなくなっていたりしている方々がいれば私みたいな例もあるよって何かしらの参考になればなって思います。
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